コラム

2021.07.05

夏こそ“冷え”にご用心!今日からできる“冷えとり対策”

外は蒸し暑いのに、屋内は冷房が効き過ぎているような場所も少なくありません。この温度差が体温を調節する自律神経の混乱を招き、「夏の冷え」の原因に。自律神経は体温調整以外にも全身の機能に深く関わっているため、夏の冷えを放置すると、様々な不調が現れてきます。この記事では、冷えにくい体をつくるために見直すべきポイントや、冷えとり対策をご紹介します。

 

 

夏の冷えにはライフスタイルが関係している!

夏でも手足が冷えて、辛いと感じたことはありませんか?

女性は男性よりも筋肉量が少ないため、冷えが起こりやすいとされています。「こんなに脂肪があるのに?」と思われるかもしれませんが、体の中で熱をつくっているのは主に筋肉です。そして、つくられた熱は血液にのって全身に運ばれます。

もともと筋肉が少ないのに、痩せたいからといって無茶なダイエットをすると、冷え性に向かって一直線。運動不足や体を締め付ける服装、女性に多い貧血も、冷え性の原因になります。さらに最近は、屋内と屋外の温度差が大きくなり、体温の調節が上手くできない人が増えています。

 

 

「夏の冷え=冷房病」の正体は、自律神経の乱れ

猛暑続きの夏の暮らしに冷房は不可欠です。とはいえ、過剰な冷房は体を冷やすだけでなく、自律神経の乱れを招き、様々な不調を引き起こします。

そもそも人間には、周囲の温度に関わらず、体温を一定に保つ機能が備わっています。暑い時は汗をかいたり、皮膚の血管を広げたりして熱を外に逃がすのです。寒い時は筋肉を震わせて熱をつくり、血管を収縮させて熱を逃がさないようにします。このような体の反応をコントロールしているのが自律神経です。

しかし、体が無理なく対応できる温度差は7℃前後と言われています。それ以上になると自律神経が混乱し、体温の調節がスムーズにできなくなるのです。これが夏の冷え、すなわち冷房病の正体だと考えられています。

 

 

その不調、「夏の冷え」が原因かも!?

自律神経の乱れによって起こる「夏の冷え」を放っておくと、足のむくみや肩こり、頭痛や腹痛、倦怠感など、様々な不調が現れることがあります。というのも、自律神経は体温調節だけでなく、血圧や胃腸の働き、ホルモンの分泌にも深く関わっており、これが乱れると身体面はもちろん、精神面にも大きな影響があるのです。

特に気を付けたいのは、冷えの自覚がない「隠れ冷え症」。外が暑いと薄着になり、冷たい飲み物や食べ物を多く摂ってしまいますが、知らず知らずのうちに症状を悪化させているかもしれません。手足の冷えを感じなくても、お風呂に入ると体が楽になる人は、隠れ冷え症の可能性があるので注意しましょう。

<夏の冷えからくる体の不調>
・手足の冷え ・むくみ ・肩こり ・腰痛 ・頭痛 ・めまい ・イライラ ・不眠 ・倦怠感 ・胃腸障害 ・食欲不振 ・月経不順 ・生理痛 ・頻尿 ・風邪をひきやすい など

 

 

冷えとり対策とおすすめグッズで、夏をもっと快適に!

夏の冷えから体を守るには、エアコンと上手に付き合うことが大切。また、シーンや環境に応じて、服装を工夫する必要もあります。ここからは、自宅で簡単にできる冷えとり対策と、おすすめグッズをご紹介します。

 

適温は27~28℃。「風」を使ってムラを解決!

自宅などエアコンの温度を自由に設定できる場合は、2728℃を目安に調節しましょう。部屋の中でも場所によって温度にムラがある時は、サーキュレーターが役立ちます。エアコンから離れた床に置き、エアコンに向けて風を送ると、下に溜まった涼しい空気が部屋全体に行き渡ります。ただし、冷気に直接当たると急激に体温が奪われるので、風向きをコントロールすることが大切です。

 

おしゃれで実用的!おすすめの冷えとりグッズ

オフィスや外出先の施設など、空調設定を変えるのが難しい場合は、着るもので調節しましょう。肌寒い時に、さっと羽織れるカーディガンやストールがあると便利です。麻やコットンなどの夏らしい素材で、涼しげな色を選べば、「いかにも防寒」というふうに見えません。

制服がある職場では、腹巻などのインナーで対策を。お腹には太い血管が通っているので、腹巻で温めると手足の冷えも和らぎます。最近はアウターに響きにくい薄手タイプの腹巻や、腹巻パンツ(腹巻とスパッツが一体になったもの)もあり、着替える時に見られても恥ずかしくないデザインです。

デスクワークでは足元の冷えが気になるもの。定番のひざ掛けやブランケットに加えて、ムレにくい素材の靴下やレッグウォーマーで足首を温めると、より効果的です。パンプスとストッキングの場合は、中敷き(インソール)やフットカバーを活用しましょう。

 

 

冷えにくい体をつくる3つの温め習慣

夏の冷えからくる不調を改善するには、ライフスタイルの見直しが重要。基本はバランスの良い食生活と適度な運動ですが、さらにちょっとした心がけと工夫で「冷えにくい体」をつくることができます。

 

温め習慣1.食欲がない時こそ温かいものを食べる

昼は冷たい麺類、夜はキンキンに冷えたビールと枝豆や冷奴が「夏の定番」という人も多いのではないでしょうか。朝食も乳製品やスムージー、サラダなどの冷たい食品が主流になっており、夏は一日中冷たいものしか摂っていない人も珍しくありません。

しかし、冷房が効いた部屋の中で、冷たいものを飲んだり食べたりすると、体の芯まで冷えてしまいます。暑くて食欲がない時には、冷たいもののほうが食べやすいと思うかもしれませんが、胃腸が冷えると消化吸収機能が落ち、体調を崩す原因に。夏バテ気味の時こそ温かいものを食べて、汗をかくことが大切です。

特に朝ごはんは、冷えにくい体をつくるためにも重要。朝食で温かいスープや味噌汁をとると、体がじんわり温まり、代謝も良くなります。

 

温め習慣2.ぬるめのお湯にゆったり浸かる

お風呂に入ると温まりますが、夏はシャワーで済ませてしまいがち。面倒でもお湯に浸かると血行が良くなり、冷えによる足のむくみはかなり改善されます。お湯の中でふくらはぎをマッサージすると、さらに効果がアップします。

お湯の温度は3940℃にして、1520分浸かるのがおすすめ。お風呂上りは冷たい飲み物が欲しくなりますが、水は常温がベストです。湯冷めしないように、髪もできるだけ早く乾かしましょう。

 

温め習慣3.マッサージとツボ押しで血行促進

冷えを感じたら、以下のマッサージとツボ押しを試してみてください。

 

<耳のマッサージ>

耳にはたくさんのツボやリンパが密集しています。耳をつまんで揉んだり、耳の周辺を指で押したりすると、血流が良くなり、冷えとりにつながります。

 

<手指と足指のマッサージ>

手足の先が冷える時には、指を曲げたり伸ばしたりしましょう。手のひらは反対側の手を使って、まんべんなく指圧します。指は1本ずつ握り、根本から指先に向かって押しながら、さするように刺激します。

 

<冷えとりのツボ>

  • 合谷(ごうこく)

    手の親指と人差し指の骨が交わるところから、やや人差し指よりにあるくぼみが合谷です。親指と人差し指をL字に開いて、反対の手でツボをはさんで揉みほぐしましょう。

  • 大椎(だいつい)

    うつむいた時に出る首の骨のでっぱりのすぐ下にあります。少し強めにグリグリと回しながら押すと効果的です。

  • 気海(きかい)

    おへそから指2本分下にあります。両手の指を重ねて置き、優しい力で5秒押してゆっくり離す、を10回くらい繰り返しましょう。

 

 

まとめ

運動不足や無茶なダイエットに加え、激しい温度差やストレスなどで、夏でも「冷え」に悩む人が増えています。夏の冷えは自律神経の乱れから起こる場合が多く、放っておくと全身に不快な症状が現れるので要注意。手足の冷えや肌寒さを感じなくても、むくみや倦怠感、肩こりがある人は、体が冷えて血行が悪化している可能性があります。体を温めると楽になりますので、食事や入浴習慣を見直してみましょう。

また、環境に合わせて着るものを工夫したり、簡単なマッサージやツボ押しで対策することも大切です。基本的なライフスタイルの見直しと同時に、今すぐできる冷えとり対策をとり入れ、冷えにくい体をつくりましょう。