コラム

2022.01.27

肌のターンオーバーを整えるには?

肌が生まれ変わる仕組みであるターンオーバーは美肌には欠かせません。ターンオーバーが乱れてしまうと、乾燥、しわ、たるみ、くすみなどの肌ダメージに直結してしまいます。

本記事では、

  • ターンオーバーのメカニズム
  • ターンオーバーが乱れる要因
  • ターンオーバーを整える方法

をご紹介します。肌荒れに悩んでいる方、より健康的で若々しい肌を手に入れたい方はぜひ参考にしてみてください。

 

 

そもそもターンオーバーって何?

ターンオーバーとは、肌が生まれ変わる仕組みのこと。肌組織の表皮と呼ばれる部分で起こります。

表皮は一番外側から、「角層(かくそう)」「顆粒層(かりゅうそう)」「有棘層(ゆうきょくそう)」「基底層(きていそう)」と、複数の肌細胞が重なった状態で存在しています。一番内側の基底層で生まれた組織細胞が外へ外へと押しあげられて、外側の角層が古いものから新しいものへと入れ替わる、これがターンオーバーのメカニズムです。

例えば、

  • 日焼けをしてもいずれはもとの肌色に戻る
  • ニキビ跡は時間とともに薄くなる

このように、肌は一度傷ついても修復する力が働きます。これはターンオーバーにより肌が新しいものに取って代わることで起こっている現象。

ターンオーバーと健康的な肌は切っても切り離せない関係なのです。

 

 

ターンオーバーが乱れるとどうなる?

通常、肌のターンオーバーは4週間~6週間で起こります。しかし、あらゆる原因によって周期が著しく遅れたり、逆に早まることもあるのです。このサイクルが乱れることをターンオーバーが乱れると言います。

乱れている状態とは、新しい肌細胞が作られにくくなり、古い角層が肌表面に残ってしまっているということ。

  • 肌内部の水分が保持できず乾燥する
  • 乾燥によりシワ・たるみを引き起こす原因になる
  • 肌がくすむ
  • 色素沈着やニキビ跡を引き起こす

などの肌悩みを引き起こしやすくなります。

 

 

ターンオーバーが乱れる原因は?

では、ターンオーバーが乱れてしまう原因とは何なのでしょうか。要因はさまざまですが、生活習慣の乱れや加齢などが多く挙げられます。

 

睡眠不足

睡眠中は2種類のホルモンが分泌されると言われています。

入眠後3時間の間に分泌される成長ホルモンは、日焼けや肌荒れで傷ついた肌を修復する働きをします。新陳代謝を促進する働きもあるため、ターンオーバーを正常にするために成長ホルモンは欠かせません。

また、眠っている間に分泌されるメラトニンと呼ばれる睡眠ホルモンは、朝起きてから日の光を浴びた14時間~16時間後に脳から分泌され、心身をリラックスさせると同時に自然な眠りを促します。加えて、メラトニンは強い抗酸化作用を持っていると言われており、それはビタミンCやビタミンAなどの主力ビタミンが持つ抗酸化力を上回るほどだそう。成長ホルモンの分泌を促す効果ももつことから、メラトニンは質のいい睡眠に欠かせません。

このように睡眠中は肌の修復や成長に欠かせないホルモンが分泌されます。ターンオーバーとも深くかかわりがあるので、睡眠不足は肌荒れや乾燥に直結します。

 

ストレス

過度なストレスは自律神経を乱す原因になります。自律神経が乱れると人によっては、頭痛や動機、不眠などの症状が出てしまうことも。ストレスからくる自律神経の乱れは、ターンオーバーのサイクルを乱し、バリア機能を低下させる可能性があります。

 

加齢

年齢を重ねるにつれターンオーバーの周期は以下のように偏移すると言われています。

(参考)年代別ターンオーバー周期

10代

約20日

20代

約28日

30代

約40日

40代

約55日

50代

約75日

上記から見てとれるように、年齢を重ねるにつれターンオーバーの周期は長くなる傾向にあります。年齢と共に成長ホルモンは減り代謝が悪くなるため、若いころに比べて周期が長くなるのは仕方がありません。若いころのターンオーバーの周期を目指すのではなく、年代別の平均日数より長くターンオーバーを遅らせないことが、年齢肌を感じさせず若々しい肌を生み出すポイントです。

 

間違ったスキンケア

スキンケアはすればいいというものではなく、正しい方法で丁寧に行うことが大切です。

「ゴマージュやピーリングを過度にしすぎる」「ゴシゴシこすり洗いをする」「メイク・洗顔料が落とし切れていない」など肌に負担をかけてしまうスキンケア法は、せっかくのケアを台無しにしてしまうことも。肌表面は敏感なので、外側からのケアも正しい知識と正しいやり方を知ることが大切です。

 

紫外線対策ができていない

外部からの肌ダメージは「紫外線」が大敵です。紫外線はターンオーバーの乱れを引き起こすだけでなく、コラーゲンやエラスチンを破壊し、たるみやしみ、シワを引き起こす原因となります。肌のバリア機能を低下させる紫外線は、必須対策項目です。

 

 

ターンオーバーを整える方法

では、ターンオーバーを整える方法を見ていきましょう。外側からの対策だけでなく、生活習慣を整えることも非常に重要です。

 

質の良い睡眠をとる

質の良い睡眠は、美肌への近道です。睡眠時間は確保できていても、睡眠の質が悪ければあまり意味がありません。「朝すっきり起きられない」「夜中目覚めてしまう」「日中、よく眠くなる」など感じた経験がある方は、質が悪い可能性があります。

質を高めるために以下のことに気を付けて見ましょう。

  • 寝る1時間前からは部屋を暗くし、テレビやスマホを見ない
  • 毎日、寝る時間と起きる時間をそろえる
  • 就寝3時間前から何も食べない
  • 朝起きたら太陽を浴びる
  • 入浴で体をあたためる
  • 睡眠をサポートするGABAやトリプトファンが配合された食べ物を積極的に摂る

質のいい睡眠でぐっすり眠ることで、肌がきれいになるだけでなく、日中のパフォーマンス力向上や集中力アップなどさまざまな良いことがあります。睡眠は毎日の健康のための大切な習慣。肌の健康と心身の健康のために、質のいい睡眠を心がけましょう。

 

食事で抗酸化成分を積極的に取り入れる

抗酸化成分とは、体の酸化を食い止める成分のこと。鉄が酸化すると錆びるように、私たちの肌や体においては、酸化=老化となります。酸化させないことが若々しい肌を手に入れるための近道なのです。

身近な食事で抗酸化成分を積極的に取り入れて、酸化から体を守りましょう。以下は、主な抗酸化成分と食品例です。

抗酸化成分

食品例

ビタミンA

  • かぼちゃ
  • 人参
  • レバー
  • うなぎ

ビタミンC

  • キウイ
  • いちご
  • ブロッコリー
  • パプリカ

ビタミンE

  • アーモンド
  • くるみ
  • オリーブオイル

ポリフェノール

  • コーヒー
  • 緑茶
  • 豆類
  • ワイン
  • ゴマ

抗酸化成分を積極的に取り入れて、内側から錆びない体を目指しましょう。

 

紫外線対策をする

紫外線には「UVA」「UVB」という2つの波長があり、これらの波長が肌にダメージを与える原因になります。

紫外線の波長は、肌の真皮層まで届き、肌内部のコラーゲンやエラスチンを破壊すると言われています。コラーゲンやエラスチンが破壊されることで、肌の水分量を保持する力が失われ、乾燥やたるみしわの原因に。

また、肌のバリア機能そのものを破壊してしまうので、生まれ変わるべき組織細胞が正常に作られません。十分な時間をかけずに角層細胞を生成してしまったり、本来剥がれ落ちるはずの古い角層がうまくはがれなかったり、機能が働かず、結果的に肌ダメージとして表面化してしまいます。

  • 屋外屋内関わらず日焼け止めを塗る
  • うっかり日に焼けた場合は入念なスキンケアをする

など、紫外線対策を徹底することが、健康的な肌への近道です。

 

正しいスキンケアを取り入れる

スキンケアはただすればいいわけではなく、正しい方法で丁寧に取り入れることが大切です。

  • 化粧水はたっぷり塗る
  • 肌を触るときはこすらず丁寧にさわる
  • メイク汚れは落とし切る意識をもつ
  • 肌悩みに合った化粧品を選択する

など、正しいスキンケア法で肌機能を高めましょう。

 

 

できることからコツコツとはじめる

ターンオーバーを整えることは美肌に欠かせない要素です。生活習慣の乱れやストレス、紫外線などあらゆる要因で乱れてしまいますが、ターンオーバーを整えるためにできることもたくさんあります。すべてを取り入れずとも、まずはできることから始めて継続していくことが大切。無理のない範囲で、肌管理の一環に取り入れてみてください。