コラム

2022.01.06

静電気を生じさせないための方法

気温も湿度も低くなる冬は静電気が生じやすい季節。
前触れなく起こる衝撃と痛みに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、

  • 静電気が生じるメカニズム
  • 静電気を防ぐ方法

をご紹介していきます。

冬場の静電気に悩んでいる方はぜひ参考にしてみてくださいね。

 

 

静電気はなぜ起こる?

私たちの身の回りにはたくさんの物で溢れています。服、プラスチック、金属製品など、物により素材や用途はさまざまですが、共通項のひとつは、「電気を帯びている」ということ。すべての物質は、電気を持ち合わせているのです。

通常、物質は+(プラス)と-(マイナス)の電気をバランスよく保持していますが、物と物による摩擦や接触が起こることで、電気が移動することがあります。(例えば、玄関のドアノブを触るとき、手にある+(プラス)の電気がドアノブとの接触により移動する、など)
移動すると、バランスよく保たれていた電気が+(プラス)もしくは-(マイナス)どちらかに偏ります。この状態を「静電気」といいます。

 

静電気と放電

静電気=電気が1種類にかたよった状態、であるとすると、

  • 車のドアノブに触ったとき
  • エレベーターのボタンに触ったとき

などに起こる、前触れない「バチッ」という衝撃はなんなのでしょう。

これは、+(プラス)の電気をため込んでいた自分の手が、-(マイナス)の電気をため込んでいるドアノブやボタンに触れることで、-(マイナス)の電気が手に流れ込むために起こる現象です。この電気が移動する現象を「放電」と呼び、瞬間的に痛みと衝撃を伴います。私たちが感じる「バチッ」とした衝撃と痛みは、放電によるものなのです。

つまり、「+(プラス)もしくは-(マイナス)どちらかに偏った電気を持っている物と接触すると、急激な電気の移動が発生し、その衝撃が痛みとなって現れる」これが静電気が起こるメカニズムになります。

 

冬は特に静電気が起こりやすい

静電気は、一般的に気温20度以下、湿度20%以下の状態で起きやすいと言われており、季節でいうと冬が最も起こりやすいと言われています。

気温&湿度が低いと静電気が起きやすいのは、空気中の水分量が大きく関わっているからなんです。

水分は電気を通しやすいという特性を持っています。そのため、空気中の水分量が高ければ高いほど、物質にたまった電気は放出されやすく、例えば、-(マイナス)の電気をため込んでいる状態でも、加湿されていたり物質そのものが保湿されている場合、摩擦や接触がなくとも放電されていきます。

一方で、乾燥状態の場合は、放電されず電気をため込む傾向が。空気中の水分量が多い季節に比べ、ふとした摩擦で静電気が起こりやすくなってしまうのです。

 

触れたときの痛みだけでなく、花粉やほこりを引き寄せる弊害も

静電気の弊害は「放電」だけでなく「吸着」もあります。例えば、マフラーを外したとたん髪が広がる、など、摩擦によって何かが吸着したという経験はありませんか?

これは静電気には物質同士を引き寄せるという性質があるからなんです。

目に見えるものだけでなく、空気中の微粒子であるホコリや花粉、ハウスダスト、ウイルスも同様にひきつけます。静電気は、花粉症やアレルギー性の病気をも悪化させてしまう可能性もあると覚えておくといいでしょう。

 

 

静電気を生じさせないためには?

ここからは、静電気を避ける4つの方法をご紹介します。

 

肌・髪を保湿する

静電気を生じさせないためには、まず乾燥させないということが大切です。ハンドクリームやボディクリームで体を保湿し体にたまった電気を放出しやすくすることで、急激な放電は防げます。また、髪の毛も意識して保湿を心がけることで、摩擦による髪の広がりを防ぐこともできます。

 

部屋の加湿をする

静電気の大きな発生条件は「乾燥」です。乾燥で空気中の水分量が少ないと、性質上物質は電気をため込んでしまうため、急激な放電が生じやすくなってしまいます。

肌・髪の保湿も静電気を防ぐために効果は十分ですが、部屋そのものを加湿するのも◎。一般的に湿度20%以下で静電気は生じやすいと言われているため、それ以上の湿度を保つと良いでしょう。

 

洋服の組み合わせに注意

寒い季節になると、トップスの上からストールを羽織ったり、カットソーの上にニットを重ねたり、重ね着や組み合わせコーデをする機会が増えますよね。その際、衣類と衣類がこすれて「パチパチ」と音がしたり、衣類同士もしくは衣類と髪の毛など物質同士が吸着しあうような経験をした方も多いかと思います。

衣類は素材の組み合わせ次第で、静電気を防ぐことができます。素材によってプラスの電気を帯びやすいものと、マイナスの電気を帯びやすいものがあり、同じ性質を持つ素材同士(プラスとプラスの素材の組み合わせ、マイナスとマイナスの組み合わせ)でコーディネートを組めば、放電は生じにくくなります。

素材一例

+(プラス)の電気を帯びやすい素材

-(マイナス)の電気を帯びやすい素材

レーヨン

アセテート

ウール

ポリエステル

ナイロン

アクリル

※上から順に帯電しやすい

上記はどの素材がどの電気を帯びやすいのかを表にしたものです。上記の素材をもとにコーディネート例を組んでみましょう。

例えば、

  • ウールのニット×ポリエステルのシャツ
  • ナイロン配合のアウター×アセテートのブラウス
  • ウールのマフラー×アクリル配合のニット

などの組み合わせは、プラスを帯びやすい素材とマイナスを帯びやすい素材を組み合わせたコーディネートです。異なる性質同士のため、摩擦により放電が起こりやすいとされています。

一方、

  • ウールのマフラー×ウールのコート
  • 絹のシャツ×ウールのニット

などの組み合わせは、同じ性質の素材同士。そのため、放電は起きにくいです。

このように、衣服の組み合わせ次第で静電気の発生を抑えることができます。冬場の静電気に悩んでいる方は、洋服の組み合わせにも気を配るといいでしょう。

また、天然繊維である綿や絹、麻は吸湿性が高く水分を保持しやすいという特徴をもちます。そのため電気が放出されやすく、比較的静電気が起こりにくいと言われています。コーディネートから気にするのが面倒だという方は、積極的に天然素材の洋服を手に取るといいかもしれません。

 

静電気防止グッズを持ち運ぶ

静電気防止グッズを持ち運ぶのもひとつの手です。「わざわざ持ち運ぶなんて...」と違和感を抱く方もいるかもしれませんが、昨今は、ブレスレットやネックレス、キーホルダーなど気軽に持ち運びやすいグッズが多くあります。

 

 

まとめ

静電気を防ぐには第一に「保湿」が大切です。自分自身を保湿することも空気中を加湿することも静電気を防ぐには十分効果を発揮します。なるべく静電気を防ぎたい方は、まず保湿を心がけるとよいでしょう。

また、保湿以外にも、衣類のコーディネートに気を配るなど、工夫次第で快適に過ごせるようになります。静電気に悩まれている方はぜひ参考にしてみてください。