コラム

2021.08.23

日焼け対策は『身体の中から』  日焼け対策にぴったりな食べ物

日焼けした肌は、赤みやほてりなどの症状がでていなくても、大きなダメージを受けています。日常の日焼け対策にプラスして、紫外線のダメージを抑える食事で、日焼け対策の底上げをしたいものです。

日焼け対策にぴったりな食べ物は、ビタミンACEをはじめ、オメガ3脂肪酸やフィトケミカルが含まれた食品。また、良質なタンパク質は欠かせません。
どれか一種類を大量に摂取するよりも、バランスよく自然の素材から栄養を摂取するほうが、断然効果的です。

食欲がない、カロリーが気になるなどの場合は、サプリや機能性食品を上手に取り入れることもおすすめ。新陳代謝を促すためにも、体に余計な負担をかけないよう、優しい食事をこころがけてみてください。

 

 

日焼け対策になる食べ物を選ぶポイント

紫外線対策になる食べ物を選ぶポイントは4つです。

  1. 魚油などの炎症を抑える食べ物
  2. ビタミンやカテキンなど活性酸素を除去する食べ物
  3. 細胞の修復を促す良質なタンパク質
  4. 時間が経過した油ものなどの過酸化脂質を避ける

 

紫外線を浴びると体に次のような悪影響を及ぼします。

①肌が炎症をおこす
赤くなったりほてったりと、一般的に日焼けと呼ばれる状態になる。

②活性酸素が発生する
メラニン生成を促し、しみや色素沈着、深いしわなど光老化の原因になる。

③細胞が破壊される
細胞の修復を促すためには、良質のタンパク質が多く必要になる。

④免疫低下をおこす
劣化した油は、免疫細胞に悪影響を及ぼし、病気にかかりやすくなる。

 

これらのことから、抗炎症作用、抗酸化作用があり、良質のタンパク質を含む食べ物を選び、古い油を避けることが大切です。

 

 

日焼け対策にオススメな食べ物

日焼け対策にビタミンCEがいいのは有名な話ですが、それだけをたっぷり摂っていても効果的ではありません。なぜなら、紫外線によって傷ついた細胞の修復を促し、いち早く正常な状態に戻すには、ほかの栄養素がなくてはならないからです。

夏場はとくに食欲が落ち、慢性的なタンパク質不足や食物繊維不足、汗をかくことによるミネラル不足に陥っています。全体の栄養素のバランスを整えることは欠かせません。また、抗炎症作用や抗酸化作用のある食べ物も積極的に食べたいところです。

日焼け対策のためだけではなく、健康のためにも、食事によって回復力を底上げすることが大切です。

 

炎症を抑える食べ物

炎症を抑える食べ物で代表的なものは、オメガ3脂肪酸と呼ばれる良質の脂質です。

オメガ3脂肪酸は体内で作られないので、食事から摂取する必要があります。DHAEAPを豊富に含んだ青魚、αリノレン酸を豊富に含んだくるみ、食用オイルでは、アマニ油やココナッツオイルが代表的なものになります。また、オメガは3腸管でアレルギーを抑える作用もあるため、腸内環境を整える役割のある乳酸菌とあわせて摂ることで効果が増します。乳酸菌のエサになる食物繊維も必須です。主食を食物繊維の多い、玄米やオーツ麦などに変えることもおすすめ。

また、お茶やブロッコリーに含まれるフラボノイド、玉ねぎのケルセチンをはじめとし、ぶどう、しそ、りんごの皮も抗炎症作用が高い食べ物として報告されています。

 

抗酸化作用のある食べ物

抗酸化作用のある食べ物では、ビタミンACEが有名です。
とくにビタミンCは、活性酸素をダイレクトに取り除くといわれています。
同時に、紫外線による細胞の傷つきを抑え、細胞周期のコントロールをする効果もあるので、積極的に摂取したいですね。

また、ビタミンC+L-システイン+ビタミンEの組み合わせが、紫外線によるダメージに大きな効果があると考えられています。

L-システインを多く含む食べ物は、レバー、牛ヒレ、鶏むね肉、カツオ、卵、大豆などです。
トマトの成分であるリコピンは、メラニンを作る酵素を減らす作用があるので、紫外線対策にいい食べ物の代表でもあります。

ほかに抗酸化物質といえば、フィトケミカルと呼ばれる食品です。ブルーベリーなどのポリフェノール、にんにくに含まれる含硫化合物、にんじんなどの β-カロテン、海藻類のフコイダン、アスパラガスのグルタチオン、柑橘類のリモネンです。 

 

良質なタンパク質

強い紫外線を浴びた皮膚の細胞は、DNAレベルで損傷しています。傷ついた細胞を修復するためには、多くのタンパク質が必要です。タンパク質の量が追いつかなくなると、細胞が死んだり、がん化したりするため、日焼けをする季節はタンパク質が不足しないよう心掛けましょう。

摂取する際は、吸収率がよく、良質なタンパク質がおすすめです。肉、魚、卵、大豆などのアミノ酸スコア100の食品がよいでしょう。また、タンパク質の合成に必要なビタミンB群の食材も同時に摂るとより効果的です。にんにく、レバー、しじみなどスタミナ食品に、豊富に含まれています。

 

 

日焼け対策のために避けたい食べ物

日焼け後は、肌はもちろん、体にも大きなダメージがかかります。大量の紫外線を浴びやすい夏の時期は、お肌も体も負担をかけないようにしたいものです。

食事でも、消化吸収に時間がかかるものや、刺激物は控えるに越したことはありません。新陳代謝をスムーズにするためにも、不要なものは排出するよう、腸内環境を整える必要があります。加工食品は腸内環境のアンバランスを引き起こしやすいものです。トランス脂肪酸とともに体内からの排出スピードも遅い食品なので、疲れた体には負担になります。消化や排出に時間のかかるものは、避けるようにしましょう。

また、柑橘類に多く含まれる、日焼けを促進する成分のソラレンも避けましょう。

 

刺激物や加工食品

日焼けした肌は大きな負担がかかっていて、過敏な状態です。また、体も普段より疲れを感じるように、各臓器や組織も普段より疲れやすくなっています。こんなときは体や肌に刺激を与えず、休ませることが大切です。アルコールや香辛料、コーヒーなどの刺激物は避けましょう。

また、加工食品も、消化に時間がかかったり、添加物の排出が遅れたりと、普段は差し支えないことが意外に体の負担になるものです。消化がよく、できるだけ自然なものを食べましょう。

 

柑橘類などソラレン成分のある食べ物

日焼けを促進してしまう成分のひとつに、ソラレンがあります。ソラレンを多く含む食べ物の代表は、グレープフルーツ、ライム、レモン等の柑橘類です。一部の研究結果によると、キウイやオレンジからは検出されないか、無視していいほど微量しか含まれていないので、食べてはダメな食材ではありません。

ただし、柑橘類の皮にはソラレンが含まれますので、皮は食べないようにしましょう。

 

酸化した油やトランス脂肪酸

時間が経過したお惣菜の揚げ物などの古くなった油は、酸化して体に悪影響を及ぼします。活性酸素を作り出し、細胞を老化させてしまうのです。日焼けした肌に、よりいっそうダメージを与えることにも。

また、マーガリンやショートニングなどに含まれるトランス脂肪酸も、体から排出されるのに時間がかかるので、紫外線を浴びた体には負担になります。菓子パンやケーキなどは糖質も多いこともあり、日焼けした当日は控えるようにしましょう。

 

 

まとめ

日焼け対策にぴったりな食べ物は以下のとおりです。

①抗炎症作用のあるオメガ3を含む青魚やくるみ
②抗酸化作用のあるフィトケミカルを含む果物や野菜
③良質なタンパク質を含む肉や魚や卵

腸内環境を整える乳酸菌や食物繊維もたっぷり摂るよう心掛けましょう。これらをバランスよく食べることで、日焼けのダメージに強い体を作ります。また、消化を促すためにも、よくかんでゆっくり食べましょう。体をたっぷり潤わせるためにも、水分補給は必須です。
いつもより食事を整えて、紫外線に負けずに美を保っていきましょうね。